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る。すなわち、シリンダ内の空気の密度は、無過給の場合より増加し、それに見合う燃料噴射量を増加させることが出来、それだけ機関の出力を増加させることが出来る。
また、コンプレッサ出口に空気冷却器をおくと、コンプレッサで圧縮され温度が上昇した空気は、冷却器によってほぼ大気温度まで冷却される。このことは空気の密度を更に増加させることになり、結果的には、一定容積に吸込まれる空気の重量を増加させ、機関の充填効率を増加させることになり、過給の効果を更に上げることになる。

 

 

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2・196図 排気タービン過給機概念図

 

 

(3)排気ガス中のエネルギーの回収
排気タービン過給機は機関との間に機械的な連絡がなく、機関燃焼による排気エネルギーを利用してコンプレッサを駆動し、シリンダ内への給気量を増大して機関の出力増加をはかり、その性能を確保すると同時に、各部の熱負荷の軽減と、更には排熱を利用する(回収する)事で熱効率の向上に寄与している。このように出力が増加された過給機関にとっては、過給機は、機関燃焼系統部との複合体として取扱かわねばならない。従って過給機を利用する方法(設備保守を含め)が適当でないと機関性能を確保することは難しくなる。
ディーゼル機関に噴射される燃料の全エネルギーの交換状況を2・197図に示す。
一般に、排気ガス中に含まれている熱量は燃料の全熱量の40%に相当する。このうち低熱源への放熱熱量は、熱力学上回収不能な部分である残りの排気温度が大気温

 

 

 

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